気学とは
大正13年に創始者である園田真次郎氏(荻野地角、明治9年~昭和36年)によって気学と命名し、大正館気学会(東京都杉並区)を開設し、現在にもその哲学が受け継がれています。
気学の基となるのは中国古代哲学の陰陽五行説で、2000年以上の歴史があります。
私が勉強している中で、読んだ書籍の「気学」の説明を以下に抜粋してみました。
気学とは五気=木、火、土、金、水の作用に易の哲理を取り入れた「方位と地相を含む家相」及び九星学から成っている。(現代日本の家相学・大塚考祥著)
気学とは宇宙全般の気の作用、気の変化、消長を究め尽くして、これを人生に応用、運営して、その幸福のために指針を与える学問であり、哲学である。(気学大全・園田真次郎著)
気学は、太極、陰陽、五気五行、十干、十二支、九星とこれに易象、八卦を加えた、運命哲学、方位哲学、家相哲学を完成したもの。(気学大全・園田真次郎著)
ざっくり言うと気学は陰陽五行、十干十二支、九星と易象で判断する哲学です。
よく九星気学と謳っている書籍やサイトがありますが、日本で園田真次郎氏が創設されたのは「気学」です。
気学は後天論を根底においた東洋哲学であり、占いではありません。そして哲学なので、「絶対こうなる」という言い切ることはありません。
その哲学を信じて行動して結果が出るという因果律です。

気学の3つの理
- 万物は相剋より成る
「万物は反発しあって生じるもの。反発して変化が起きて成り立つもの。
変化がなければ何も生じない。」という陰陽五行説の思想。 - 運は先天にあらず、後天にあり
「人の運命や運の強弱は自己の努力と責任で切り開き創るものである」という後天論のもとで成り立っている。
※四柱推命などは先天論(運命は生まれた時から決まっている)ですが、気学はそれを取らず自分で行動すれば運気が変わっていくという後天論を取っています。 - 吉凶は動より生じる
「原因(方位・家相)があり、結果(吉か凶か)がある」という因果律。
動かなければ何も変わらない。
「運命好転法」(方位と家相)で自分の運命を切り開き、運気を上げていく。
運命の転換を図る手段は「吉方位の移転」(目的を持って方位を取る)、転換した運命を持続させるには「吉相の家に住む」。これが気学の哲学に則った「運命好転法」であります。
気学の組織内容
太極(たいきょく)
宇宙の中心、根本という意味。太陽。
万物の根源となる本体で、太極自体は形も動きもなく陰陽の二元が生ずるところ。
家相では家の中心が太極になります。
移転では自分が住んでいる家が太極となり、この太極から方位をみます。
陰陽(いんよう)
「太極両義を生ず」といって、太極から陰陽の両義が出現する。
「天空間のすべての物と象(すがた・形)は必ず対になり、互いに依存・対立しながら絶えず変化をし続けている」という考え方。
五気五行(ごきごぎょう)
陰陽両気の作用から五気が発現する。
五気とは木、火、土、金、水の5つの気のこと。(無形の気から有形の存在物を生ずる根源)
気学においては最も肝心な方位の根幹をなすもので極めて重要。
「大宇宙のすべての物と象(すがた・形)はすべて木、火、土、金、水の5つにわけることができ、その5つの相生と相剋の作用で万物が生まれ滅びる」という考え方。
十干(じっかん)
五気五行の精神と作用を現したもの。
5つのものを陰陽に分け10になっている。
幹、天の気(天の精神)。
陽…甲(きのえ)、丙(ひのえ)、戊(つちのえ)、庚(かのえ)、壬(みずのえ)
陰…乙(きのと)、丁(ひのと)、己(つちのと)、辛(かのと)、癸(みずのと)
十二支(じゅうにし)
地の気(地の動き)、枝(十干という幹から出た枝)。
天の気をうけて地が万物を育成することから、十干と十二支とは不可欠なものであり、これを天干地子といい、天地の精神とその作用を知ることができる。
十二支にも陰陽がある。
陽…子、寅、辰、午、申、戌
陰…丑、卯、巳、未、酉、亥
九星
五気五行・十干・十二支を含む。
気学の運営、応用にあたり物事の吉凶を判断し、鑑定する上で不可欠で重要なものである。
一白水星(陽)、二黒土星(陰)、三碧木星(陽)、四緑木星(陰)、五黄土星(両極)、六白金星(陽)、七赤金星(陰)、八白土星(陽)、九紫火星(陽)
相生と相剋
相生
相生とは木・火・土・金・水という5つの気が順送りに相手を生み出していくプラスの関係。
木生火…木と木が摺りあって火が生まれる
火生土…火は物を燃やして灰になり、土となる
土生金…すべての金属は土の中より生まれる
金生水…金属のもつ冷気から水が生まれる
水生木…水は草木を育てる

相剋
相剋は木・土・水・火・金の順で五元素が順送りに相手を刻していくというマイナスの関係。
木刻土…木は芽を出すときに土を被る
土刻水…土は水の流れをせき止める
水刻火…水は火を消す
火刻金…火はその熱で金属を溶かす
金刻木…金属は木を削り、切り倒す

相生と相剋の関係
森羅万象はプラスの面のみを強調して活動を続ければ必ず破局するので、必ずマイナスの面も必要。
相剋の中に相生あり、その逆も然り。
相生と相剋の2面があって、万物ははじめて穏当な循環が得られる。
気学では家相・方位をみる時に、相生=吉相・吉方位、相剋=凶相・凶方位と判断します。
方位の分解
気学では東西南北(四正)は各30度ずつ、四隅の南東・北東・南西・北西は60度ずつとなります。
