方位哲学においては、相生相剋の原則に基づき人の本命星と方位の星とが相生するか相剋するかを見て事の吉凶を判断する(気学大全・園田真次郎著より)
方位には吉方と凶方があります。
吉方移転とは自分が住んでいる家(太極)を基準として、吉方位に移転する(引っ越しする)ことです。
あらかじめ吉方位・凶方位のことを知り、相剋される凶方位を避け、相生する吉方位に進めば、幸福の道に進むことができます。
- 吉方…自分の本命星から見て相生する星のいる方位
- 凶方…自分の本命星から見て相剋する星のいる方位及び下記の大凶方位
方位哲学では方位の性質、作用などを究めこれを人生に応用して気の恵みを受けることが人生最大の幸福を招く道となります。
ただし、吉方に移転したからといって「棚からぼた餅」のような幸せを狙ってばかりではだめで、自ら苦労するという気持ちを持たないといけません。
吉方には生気(大吉)、比和(中吉)、退気(小吉)があり、それぞれ異なった作用と吉徳があり、吉方に行けば自分と世間との関係が円満になり、営業や取引も総じて親しみの中に進行していきます。
反対に凶方に行けば一切のものが自分の敵となり相手から弊害を受け滅ぼされます。
吉方・凶方は人によって(生年月日)違います。
その年によっては吉方位がない場合もあります。
方位の吉凶
1.吉方位
生気(せいき)
生気は自分の親の立場にいる方位。
一白水星なら金生水(金属が水を生み出す)で、六白金星・七赤金星が在宮する方位が生気の方位です。
生気の方位に移転すれば、目上の人など親の立場にある人からの引き立てや援助を得て、繁栄幸福の道を進むことになり、志したことや企てたことが成就して人生の満足が得られることになります。
比和(ひわ)
比和は兄弟関係にある方位です。
例えば三碧木星の人は四緑木星が比和(兄弟)になります。
比和の方位に行くと、ほぼ同格の立場の人や実力が同じくらいの人との親善関係から幸福が生じます。
兄弟・同僚・朋友等の互助・援助などによって事が有利に展開するという吉方位です。
退気(たいき)
退気は子の立場にあたり、自分から生み出す星のいる方位となります。
二黒土星なら土生金で、六白金星・七赤金星の在宮する方位が退気の方位となります。
退気はまず自分の利益を考えず、自ら努力して他人を援助して幸福を得られる方位となります。
吉方移転の真の目的は、天の思想を受けて人の精神思想を改善することにあり(真の幸福)、この退気を吉方として用いるとそれが迅速に実現することでしょう。
2.凶方位
以下は大凶方位となります。誰であっても犯してはならない方位です。
暗剣殺(あんけんさつ)
暗剣殺とは五黄星在座の対中(向かい側の方位)のこと。
年の暗剣はもちろん、月の暗剣も方位上最も恐れる大凶方位です。
他発的に災いが訪れます。

五黄殺(ごおうさつ)
暗剣殺とほぼ同格の凶方ですが、凶災の性質と作用が暗剣殺と異なり、自発的な災いを被ります。
五黄殺は五黄星在座の方位です。
※五黄土星が中宮に在座してる場合は五黄殺も暗剣殺はありません
歳破(さいは)
歳破とは「年の破れ」であり、大歳方(その年のえと)の対中が歳破となります。

この歳破に向かって移転・新築・増築・縁組をした者は、それより2年以上経過すると親子・夫婦・親類などの交情(交際している相手に対する親しみの情)を破り、財宝を破り、人事一切の破壊となる原因が作り出されます。
月破(げっぱ)
月破とは「月の破れ」のこと。
その年に歳破があるように、月にも破れがあります。
歳破と同じような凶作用ですが、歳破の12分の1(1年=12か月なので)の微弱なものですので、一旦破れても後に調う場合があります。
ただし縁談だけは破談になります。
歳破は幹を枯らし、月破は枝を枯らすのと同等の意味があります。
本命殺(ほんめいさつ)
本命方とは自分の生まれ年及び生まれ月が在宮する方位のこと。
生まれ年の本命方は本命殺、生まれ月の本命方は月命殺と言います。
これに向かって移転・新築・婚姻などを行えば必ず死すると云われるゆえ、本命殺と言います。
月命殺は死まで至らないまでも重病は免れないので、どちらも犯してはなりません。
的殺(てきさつ)
的殺とは本命星の対中の方位のこと。
的殺は目的を殺すということであり、その人の希望や目的とした事を破ります。
吉凶のこと
凶方位は他に小月建方(小児殺方)、殺気、死気の凶方位があります。
要するに移転方位(引っ越しする方位)は吉方か凶方しかありません。
吉方位以外は全て凶方位となり、どちらでもない方位はないのです。
迂回移転のこと
移転したい方位が凶方位の場合、凶作用を避けるにはどうしたらいいのでしょう。
その場合は仮移転をして本移転をするという「迂回移転」という方法があります。
一度吉方位に移転(仮移転)して、吉方位が目的地になるように移転するのです。
しかし迂回移転は労力とお金がかかりますのでその点はご注意ください。