家相とは
家の形なりに、その中に充満している五感に触れない「気の作用」をいいます。
「気」は吉凶の別なくそこに住む人に対して休むことなく働きかけ、一家の盛衰に大きい影響を及ぼすことになります。(現代日本の家相学・大塚考祥著)
気学を1本の木に例えるななら家相が幹で方位が枝となるため、「気学は家相である」と言っても過言ではなく、家相は最も重要だといえます。
家相は家の形と間取りで吉凶を判断します。面でみますので設計図でいうところの「平面図」、主に1階の平面図をみます。
ですので家の外にあるベランダやポーチ、駐車場などは判断の対象外となります。
※蔵、井戸、池など一部を除く
家の形が主(幹)で間取りが従(枝)という関係なので、家の形が間取りより重要になります。

家の中心に太極があり、その太極から方位線を引き、吉凶や象意などをみていきます。
以下は家相の吉凶の説明を記載しますが、あくまで簡易的な説明となります。
実際の鑑定にはここには記載してない内容も考慮します。

家相の吉凶
1.「体」と「用」
気学には「体」と「用」という考え方があり、特に気学では重要です。
「体」とは考え(思想)であり、その考えによる行動が「用」に当たります。
「相とは形のこと、想とは考え方、即ち心の形である。人間には必ず心があるので「想」の字を、家は物体ゆえに心がないので「相」の字を使うが、この2つは字こそ違うが内容は同じである。従って家相は思想を作る」戸崎隆子先生(哲学博士・気学創始者園田真次郎氏の直弟子)のお言葉(現代日本の家相学・大塚考祥著より)
家相では「体」は家の形(張りと欠け、張り出しと欠け込み)で、「用」は間取りなどに当たります。
考えがなければ行動もできないので「体」が主で、「用」が従となりますので、家の形が重要でその次が間取りになります。
「体」…思想・家の形
「用」…行動・間取り
「体」(家の形)>「用」(家の間取り)
「体」=家の基本形は長方形
長方形の短い方を一辺とした正方形(体)を中央にとると両端が余ります。
この部分を「張り」(体張り)といって、方位に関係なく吉作用があります。
従って長方形なら必ず2か所の吉相部分ができます。(下図参照)

正方形の家
正方形の家は「体」だけで、吉作用のある「張り」(体張り)がありません。
間取り(用)がいくら良くても発展性のない「体」の家となり、凶作用が出てきます。(下図参照)

体張りがない=凶相の家
2.太極
家相では家の中心が太極となります。
家相の判断は面で行うので重心ではなく、中心を太極とします。

3.張り出しと欠け込み
張り出しとは本体から飛び出した部分のことで張り出しの幅の寸法(下図のA)が全長の1/3以下の場合、方位に関係なく吉相となります。

張り出しの効果は「張り」より数段勝ります。
張り<<<張り出し
欠け込みとは以下のことをいい、方位に関係なく凶作用があります。
- 家の一部が凹んだ箇所(図1)
- 張り出しの長さが全長の1/3以上あるため反対側が欠損している箇所(図2)

また、張り出し(下図のAの部分)が1/3以下でも両端が空いている場合は、その空いている部分を欠け込みと判断しこちらも凶作用があります。

4.明きと欠け(凶作用)
「明き」とは掃き出し窓(家の屋内からベランダなど屋外へ出入りできる窓)や玄関や勝手口など外に向かって大きく口を開いた部分で、人が出入りできる開口部のことをいいます。

「欠け」とは玄関スペースなどにある家の中にある段差のことをいいます。

以下は平面図面での説明です。

「明き」、「欠け」はどちらも凶作用がありますが「欠け込み」より凶作用は弱いです。
玄関は「明き」と「欠け」の両方の凶作用がありますが、張り出しに玄関を作るなどで工夫をすれば凶作用はなくなります。
※凶作用の違い
- 欠け込み→必要なものが入ってこない
- 欠け→必要なものが不足する(足りない)
- 明き→欲しいものがはいっても、それ以上に出ていく
5.間取り
間取り(用)などの吉凶は五行説(相生・相剋)で判断します。
家相とは窓・壁・開口部(ドア)で遮られた屋内の気の作用(木火土金水)のことです。
家の屋内は五行の水気と火気(キッチン・風呂・トイレ)しかなく、「木・土・金」は存在しません。
ということで家相の間取りとしてキッチン・風呂・トイレをみます。
他の部屋(居室や廊下など)は対象外となります。
(1)キッチン
キッチン…シンク(流し台)、コンロ(ガスコンロ、IHコンロ)のことで部屋全体ではありません

キッチンは相反する水気と火気が同居してます。
家相の中では気の出入りする玄関と共にキッチンは重要事項です。
家相上、キッチン(シンクとコンロ)に最も良い方位は東で、次いで東南となり、この2方位以外は全て凶と判断します。
東(大吉)>東南(吉)
- 東…十干は甲(きのえ)・乙(きのと)、十二支は卯、九星は三碧が配当され、これは全て五行の木気となります。
木気はコンロの「火」とシンクの「水」が相生するから大変相性が良いので大吉となります。
※因みにコンロの「火」は「熱」の意味なのでIHコンロもコンロに入ります。 - 東南…十干は乙(きのと)・丙(ひのえ)、十二支は辰・巳、九星は四緑が配当されています。
丙(ひのえ)・巳は火気、辰は土気になります。
乙・四緑の木気はシンク(水)とコンロ(火)と相生しますが、丙・巳は「火と水」でシンクと相剋し、また辰も「土と水」でシンクと相剋しますので、総合的に判断すると東ほど良くありません。 - 南…十干は丙(ひのえ)・丁(ひのと)、十二支は午、九星は九紫で全て五行の火気で、シンクの「水」と相剋します。南は主に精神に作用するため「大凶」と判断します。
このように五行で判断すると東・東南以外は全て凶になります。
凶とひとことで言っても方位によって作用は異なり、また住人の生年月日によってその作用の強さも異なります。
東のキッチンは生年月日に関係なく誰にとっても吉相となります。

(2)トイレ
水洗トイレ(以下トイレ)は方位による影響はなく、トイレが室内全体のどの位置になるかが重要となります。
理由は床下を通る上下水配管です。
理想は家の隅にトイレを配置することです(下図の1)。次いで隅ではないが外壁に接している場所(下図の2)です。
良くないのは給排水管が床下を通るような場所(下図の3)にトイレを配置してしまうことです。
中心(太極)に近づくほど影響が強くなるので注意してください。

(3)風呂
風呂は水気のため、木気・金気の方位と相性が良いですが、風呂は入った後にお湯は流してしまうため相剋の方位でもあまり影響がないようです。
シャワーがメインの人も影響がないということも踏まえると、使い方次第で凶作用の影響がなくなるため家相としてはそれほど風呂の位置は気にしなくて良いように思えます。
凶作用はあっても軽いものであるならば、浴室は配置しやすい場所に設置するのをおすすめします。
方位を気にして無理なプランにするより使い勝手の良い、住みやすい家にしましょう。
